2012年10月29日

妊娠したらトキソプラズマについて考えよう

こんにちは。もう秋ですね。
もうすぐ今年も終わってしまい、焦り気味の日々を過ごしています。


さて、私は日ごろトキソプラズマという生物の研究を行っています。
トキソプラズマは微生物の仲間で、人間や様々な動物に感染する病原体です。
病原体といっても、菌ではありませんよ。
どちらかというと、ゾウリムシの仲間に近いかな…。


この生き物、実験室では扱いやすい奴らなのですが、感染すると凶暴です。
特に妊娠期間に感染すると、おなかの赤ちゃんがやられてしまうことがあります。



今年は、トキソプラズマとその先天性感染がメディアで取り上げられた年でした。
トキソプラズマなど胎児に重篤な感染を引き起こす病気を「TORCH症候群」と呼ぶそうです。知らない方も多いですよね。実際に新規患者の発生数は非常に少ないのですが、確実に発生していることも事実です。発症すると子供に先天性の障害が残ったり、新しい命を流産で失ったりと、症状は非常に重篤になります。今年は患者さんの会「トーチの会」が設立され、NHKでも再三この病気が取り上げられるなど、確実にトキソ防除の機運は高まっていると感じます。今後もこの流れが続いて、少しでも新しい患者さんが減れば良いなと思います。


そんな中、このたびNHKの番組内で、先天性トキソプラズマ症が取り上げられることになりました。今年になって報道された、妊娠中の母子感染感染症をテーマとし、主にトキソプラズマ・サイトメガロウイルス感染症に関する情報が報道される予定です。


<放送予定詳細>
10月31日(水) 20:00-20:29
NHK「ハートネットTV」(http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2012-10/31.html)


なお、番組ホームページ (http://www.nhk.or.jp/heart-net/) にコメントを送ったり、HPをtwitterやFacebookなどでシェアすることが可能です。反響が大きいと今後の放送内容に影響しますので、ぜひこの流れを絶やさないようにご協力頂ければと思います。


次回は「トキソプラズマに感染しないために守るべきこと」を書いてみます。


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