2013年1月1日

MSR ウイスパーライト・灯油の意外な利点


MSR ウイスパーライト・インターナショナル(WhisperLite Internationale




つい買ってしまった… > <
購入したのは旧型で、9000円を切る価格帯まで値下がりしていた。
旧型は量産20年を超える、非常に枯れた設計で安心できる。
シンプルでメンテがしやすいのが売りらしい。



ですが、冷静に考えてこのストーブが必要なのか、大変疑問でしたw
そのことは購入する時点ですでに自覚していて、だからこそ悩んだのですが
最後はいくつかの理由と、「遊び用として欲しい。これだって理由だ!」と
なかば損得度外視で買ってしまいました。

今回は、私が購入までに考察した諸点について書いてみたいと思います。


①メンテナンスが楽?

ウィスパーライトユーザーは、このコンロを選ぶ理由として、
「頑丈でシンプル、信頼できる、現地で故障してもメンテできる」
を第一に挙げると思います。

でも、それならガスストーブでいいじゃん。
私は登山用のコンロとして、プリムスのP-171を愛用していました。


こいつは10年間、何一つメンテナンスしていない。
ガスストーブは、メンテナンスフリーが隠れた長所です。


②軽量コンパクト?

ウイスパーが軽量コンパクトとのこと。
でもガスに比べれば重いし大きい。
もっと小型化の努力は可能な気がする。
例えば、Primus の エクスプレスVFスパイダーストーブ。
ポンプ込みで277g。

















これなんか、かなり理想的な形してますね。
軽いこともそうですが、非常にコンパクトになります。

また、コンパクトさという点ではP-114Fはかなり究極的です。50g程度の超軽量。
それにこのストーブ(P114F・フローリストサクラ)の真の価値は、小さいこと。
思うに、軽量化の肝はザック自体の重量ではないだろうか。
P114FとWhisperLite Int. の重量差は、せいぜい200g といったところだが、
サイズの差はもう絶望的な違いがあります。



③雪山にはやっぱりガソリン?

これはある面、真実かも。
私はそんなに雪山経験がないのでわかりませんが…。
私のレベルでは、雪山でもガスでそれほど不都合は感じません。
まわりに聞くと、たまにガソリン派がいるので、いつかはそういう日が来るのかも?



④じゃあなんで買ったのよ??

一つは趣味です。
ガスが燃えるのは当たり前で感動が無いのですが、
最初に灯油がきちんと燃えた時は感動しましたから。

あと実用上の意味。
震災など防災上の備蓄の意味が大きいかもしれません。
自宅にガス缶を100本(250g/本として25kg)蓄えるのは、ちょっと無理があります。
ですが灯油なら、3缶(54L)程度は常に備蓄してあります。
この自然な備蓄を応用できるのは、非常に大きいです。
灯油があるのは冬季のみですが、夏にコンロの必要性は小さいでしょう。

購入以来、毎日こいつを炊事に使っています。
灯油、白ガスと使ってみて、まあ白ガスが使いやすいんですが、
灯油にもメリットがあることを発見して喜んでいます。















まず点火は圧倒的に白ガス有利。
白ガスなら、下の皿にアルコールを2mL入れて点火し、
自然鎮火後にバルブを開きマッチを点ければ、一発着火します。
灯油の場合、皿に溢れんばかりのアルコールを入れて
入念にプレヒートしても、最初はどうしても黄色い炎が出てしまいます。
30秒くらいで安定するので良いのですが…。

(ちなみに、マッチで点灯するのが面倒で、
プレヒートの残り火で点火しようとすると、間違いなく失敗します。
プレヒート皿に火がある状態では、混合管での酸素混合がうまくいきません。
火が燃えているので、酸素濃度が低い空気が取り込まれてしまうのかな。)


灯油が良いのは、点火の際に大失敗しないこと。
ガソリンで失敗したときの火柱が抑えられます。
灯油で失敗しても、テントを燃やすことはまあ無いと思いますが、
ガソリンで失敗したら…ちょっと心配かも。


また意外なのが、灯油の方が弱火がやりやすいです。
ガソリンの弱火では、すぐに息継ぎ運転が始まってしまいます。
放置するといつの間にか火が消えていたりします。
灯油だとこの現象は起きにくく、ガソリンよりずっと弱火が効きます。

思うに、これはガソリンと灯油の揮発性が原因でしょう。
ガソリンで弱火にすると、少しずつ流入する燃料がすぐ揮発するため、
連続的な気化ガスの供給が難しいのだと思います。
その点、灯油は適度に揮発性が低いですので、
燃料を絞ってもうまく気化ガスが供給されるのだと思います。


液体燃料機は面白いですね。
火器の沼にはまりそうです。


(追記)
一年ほど炊事に使ったので追記。
点火の失敗は無くなった。コツはプレヒート。
下の受け皿では足りません。

まずは下の受けになみなみとアルコールを入れて点火。
消えそうな頃合に、手製のアルコールストーブ(2mLくらいで可)で追い炊き。
そのうち、火口からボッボッと青火が出てきます。
そうしたらコックを開いてOK。

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