2013年1月25日

世界の危ない寄生虫ランキング


食品媒介寄生虫の危険度ランキングが発表されました。
気になるあの虫が上位に…!

公開元は WHO & FAO(世界保健機関&国連食糧農業機関)。
それぞれ世界の公衆衛生、食糧生産の中心的な機関です。
リンク先はレポート原文(英語)

http://www.fao.org/fileadmin/user_upload/agns/news_events/Parasite%20report%20final%20draft-25October2012.pdf

では、1位から順番に見ていきましょう。




1位:有鉤条虫Taenia solium) 

調理が不十分なブタ肉や生水などから感染します。サナダムシと近い種類ですが、こちらの方が危険。成虫は腸にいますが、幼虫は腸を食い破って体内をうろつきます。それでも通常は無症状なのですが、幼虫が間違って脳に達した場合、大きな問題となります。



2位:エキノコッカス(単包条虫;Echinococcus granulosus
3位:エキノコッカス(多包条虫;Echinococcus multilocularis

有名なエキノコッカスです。日本では北海道の多包条虫が問題となっています。キタキツネやイヌの糞便に汚染された飲料水、食べ物などから感染し、ヒトには重篤な脳障害、肝機能障害を引き起こします。自覚症状が出てからでは助からないこともあそうです。そのため北海道では、無症状でも定期検査をしているとか。また、飼い犬が拾い食いをすると感染し、飼い主や周りの人間に感染させてしまうことがあります。北海道から感染した犬を持ち込むと、本州にバイオハザードをもたらすことに。どうか気を付けましょう。


4位:トキソプラズマToxoplasma gondii

最近話題になっているトキソプラズマ。私の日記でも何回か触れました参照。妊娠中に感染すると、赤ちゃんに脳障害や視力障害が残る可能性があります。また抗がん剤などで免疫が落ちている人も危険です。



5位:クリプトスポリジウムCryptosporidium spp.)

水道の寄生虫。アメリカで40万人を一度に感染させたことがあり、水感染症で最大規模のアウトブレイクとして伝説化している。塩素消毒が無効であり、通常の浄水設備では消毒できないため、しばしば先進国でも発生がみられます。しかし、日本の浄水設備は最先端のろ過膜併用法を採用しているため、都市水道における感染はあまり気にしなくても良いと思います。山間部の小規模水道、自家水道では散発的に感染例が発生しています。またアメリカでは毎年かなりの数が感染しているようです。



いかがでしょうか。おなじみの寄生虫やあの寄生虫もランクインしてますね。
ちなみに6位は赤痢アメーバ、10位はアメリカトリパノソーマです。
1位から4位まで、全て脳障害を起こしうる寄生虫が占め、
また5位までアピコンプレクサと条虫類が占めるのが印象的です。

さらに、これら寄生虫は公衆衛生の進んだわが国でも感染の危険性があります
またトキソプラズマのように赤ちゃんへ大きなダメージを与える種類が含まれます。
食文化の多様化で、エキゾチック・フードや生肉の刺身に接する機会が増えました。
しかし、特に妊娠中などで体を大切にしなければならないときは、
昔ながらの、我々の祖先がしていたような食事に立ち返るのも良いかもしれません。
その食事は、私たち日本人が風土に合わせて編み出した財産ですから。

みなさん、どうかくれぐれも気を付けてください。
お体をお大事に。



というわけで本日の一言。


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